テリオスキッド エアコン修理

毎年1回、ガスを補充して3年のテリオスキッド。今年もエアコンの利きが悪くなってきたなと思っていた矢先、エンジンが止まりました。エアコンをオフにする(マグネットクラッチをオフ)にするとエンジンがかかります。

これはコンプレッサーが焼き付いた、と言う事です。初めて遭遇する現象ですが修理工場等では珍しくないのでしょう。調べてみると、コンプレッサー、高圧・低圧配管・コンデンサー・エキスパンジョンバルブ(エバポレーター)の同時交換で治すのが業者さんの治し方みたい。

コンプレッサーが焼き付いた時の破片などが回っている可能性があるということです。その場合の出費は相当なもの。(10万円は普通にオーバー)ただ、プライベーターで修理する場合は洗浄で何とかする場合もあるみたい。

今回用意したのは

  1. 新品のコンデンサー 1.2万円ほど(おそらくサードパーティ品)*結構良かった。上下のフィッティングを外した際にエアが抜ける音がして、気密が保たれていることが分かり、すごく安心。また、Oリングも付属していた
  2. エバポレーター中古品 0.3万円ほど *低圧配管側のフレア部に大きなささくれの破損があり、使用できなかった・・・フレアの修正工具は持ってない。よって、元からついているエバポレーターのフィンのつまりを除去、内部を簡易洗浄(パーツクリーナー)して再使用した。
  3. コンプレッサー中古品 0.4万程 結構綺麗な洗浄状態だった。残留していたオイルがかかったのは愛嬌
  4. Oリングセット 0.2万円位?忘れた(5年前アストロで購入)テリオスキッドの純正Oリングと合うものが丁度入っている、良いセットだった。
  5. マニホールドゲージ+真空ポンプセット 1.5万円ほど
  6. エアコンガス管を接続するアタッチメント 0.15万円ほど *5に普通は付属するがついてなかった・・
  7. 真空ポンプのオイル 0.25万円ほど:*やはり5に付いていなかった。必要量250mlで今回は1L買ったので何回もエアコンが治せるよ
  8. エアコンガス 2缶(200mlをふたつ):多分800円位?前にまとめて買ったあまり
  9. エアコンオイル 1缶(50ml)1000円位? :漏れ箇所を特定する蛍光剤と漏れ止め剤配合のやつ

部品がようやく揃ったので3連休の初日に作業開始。コンプレッサーがロックした際にコンプレッサーを取り外す作業を行ったため、分解自体は慣れたもの。

コンデンサーやコンプレッサー、配管の洗浄は滞りなく終わった。

上下の配管はモンキーレンチ2本を使って取り外す。根本側も固定して、ナット同士に力がかかるようにする。でないと、根元がもげる事もあるよ

漏れ自体は、蛍光塗料が配管の継ぎ目から出ていなかった為、コンデンサー本体のフィンの間なのかも知れません。確実に漏れて利かなくなってはいたので・・・いま改めて見るとコンデンサーの各部のオイル染みみたいなのがそうかもですね。

コンプレッサーを取り外した後。ちなみにエンジンマウントがやけに低いので少しだけバールでこじってみたら、プラプラだった。恐らくゴムが切れてる

低圧配管は簡単に外せるのですが、右側の高圧配管はちょっと特殊な接手になっています。非分解かな?外すところが見当たらないです。中古のエバポレータを見ても丁度ここで接続する構造になっているので間違いなさそう。ただ、蛍光剤が全く漏れていない事と、個々の特殊な接手を発注していなかったのでそのまま使います。

エバポレータ(中古)は低圧配管のフレアが致命的な損傷をしていたので、どちらにせよ使えなかったのですが。

エバポレータ交換は地獄。ダッシュパネルを外さなくてはアクセスできません。上下に分割のケースを下からタッピングビスで止めてあり、またエアバッグを外すにもダッシュを浮かさないと隙間が無かったり・・・ただ、外した甲斐はあり、ほぼ全面が綿埃で詰まったエバポレータをほぼ完全に清掃する事が出来ました。

あれではフィンの間に空気が入る事もないです。エアコンの効き目が薄いのも納得。ここまで分解しないやり方では(下側のケースに穴を空けている)多分奥の本体のフィン清掃は出来ないと思います。

清掃と組立後の作業手順

  1. 低圧と高圧のカプラにマニホールドをそれぞれ繋ぐ
  2. マニホールドの黄色の配管(充填・真空引き用)を真空ポンプにつなぐ
  3. 低圧と高圧のバルブをオープン、真空ポンプを作動させる
  4. 低圧・高圧側ともマイナスに振り切って針が動かなくなったら真空ポンプ停止
  5. 30分放置して、針が止まったところから正圧側に針が動いていなければOK。だめなら配管のチェック。フレア面の荒れや接手の締め付け、Oリングを新品にしなかったうっかりさんは新品にしましょう
  6. 低圧・高圧バルブを閉める
  7. 黄色配管を真空ポンプから外し、ガス缶用アタッチメントを代わりに黄色配管に取り付ける
  8. アタッチメントの針を進めて、缶に穴を空ける。
  9. アタッチメントの針を引き戻し、黄色配管からマニホールドにかけてガスを放出
  10. 黄色配管のマニホールド側のパージバルブの蓋を外し、冷媒ガスが少し飛び出すまでエアを抜く。すぐに止める事。
  11. 高圧配管のバルブを開け、ガスを充てんする。缶は逆さまにしない事。振って充填していく。(1本目)*テリオスキッドは2本(400ml±50ml)
  12. 缶が気温と同様の温かさになったら(充填中は気化しているので冷たいです)その缶は充填完了。高圧配管のバルブを閉める
  13. 空の缶を取り外し、次は2本目の缶をセット。穴を空けて同様にパージする。
  14. エンジンをかけ、エアコン作動、内気循環、エアコンの風量最大
  15. 低圧配管のバルブを開ける
  16. 同様に振りながら注入。また缶が常温になったら完了。低圧バルブを閉じ、エンジンも止める。低圧高圧療法のカプラーを取り外す。
  17. ガス補充用のメーターだけが付いたチャージホースにエアコンオイルの缶を取付け、(針はひっこめた状態)低圧配管に取り付ける。
  18. ガス管に穴を空け、若干パージ。エンジンを掛け、エアコン全開(内気循環・最大風量)同様にチャージしていく。これは逆さにしても良いらしい。これも常温になったら完了。
  19. エンジンを止め、低圧カプラを外したら完了。

こんなところかな。毎日やる作業ではないので、作業のメモを残しておくことにする。幸いロードスターの方はキンキンにエアコンが効いているので、しばらく真空ポンプの出番はないだろう。