SR400 シート加工 低反発素材仕込み
今まで、HONDA、カワサキ、YAMAHA(スクーターだけ)に色々乗ってきて全て中古だったのでシートの張替えは慣れたものです。それでもSR400と言うバイクは初めて触ります。
バイクに乗っていると短時間で尻が痛くなり、乗っていられないとの事。そんなに硬いシートがあるのか?と触ってみると、確かに硬い。タッカーと合皮だけあれば新品にした上に、クッションも加工できるな・・と安請け合いしてしまいました。
SRの事をあまり調べずに・・・普通はシートのフレームは合成樹脂で、タッカーで針を打ち込んで止める構造になっていますが、
「専用の爪がある!!それも鉄製!こんなん、3回も張り替えたら金属疲労で折れるじゃないか・・・」しかも汎用の合皮をテンションかけながら張っていく手法は使えないので、純正位置に穴が開いている張替えキットが圧倒的に有利。メーカーが違うと考え方も大きく違うものです。
取り敢えず、もう一度SR400のシート加工依頼が来た時の為に記録を残しておく。今回は中古シートを加工しての取付なので割と余裕があります。
折らない様に爪を起こして、シート表皮を外す。何回脱着しているのか履歴が分からないので慎重に行う。この爪式は・・・「嫌いです」シートのクッション加工時に手を掛けるところが爪の部分になるので、手に刺さる事になります。
まあ、何とか手に刺さりつつもシート座面の加工を開始。下部にフレームが存在せず、ウレタンスポンジだけで形を保っているタンク側は切り取りません。(形が維持できなくなるので)
切り取るのは主にライダーが座る部分。タンデムはあんまり考えていません。「尻が痛いならもっとくっつきなみたいな、変態っぷりを演出できる仕様となっております。サイドバックのベルトとかもリヤ側には回したりするのでライダー重視で位置決めしました。
貼り付けるとこんな感じ。ここからシート形状に合わせて切り取り、成形します。
シート用の防水ビニールをかぶせたところ。実はこのビニール、リヤ側にくちゃくちゃになって挟まれておりました。このシートをメンテナンスした業者は余程のものぐさか、へっぽこ業者です。SRのシートは2種の皮を行き合わせたタック部分があるので絶対に防水シートが必要です。幸い破損は無かったので再利用しました。
シート皮の余りを防止している。
ここから皮をかぶせて行きます。少し容積がアップしていますが軟らかいので凹ませるとテンションが緩んで爪に掛けやすくなります。完成してみると、若干やはり高め。
これ以上深く元のウレタンを削ると色々不具合が出る(左右に分かれるかも)なので、元の形状重視であれば、若干低反発部分を薄くする事が引き換えになるかな・・・
元のSRシートとは比べ物にならないくらい軟らかくなった。スポーツ走行する方ではなく、ツーリング重視なのでこれはこれで正解だと思います。シートを外すことは簡単なので、ハニカム構造クッションやシート張替えも面白いかもですね。